失ってから初めて気づく、当たり前が当たり前じゃなくなることの喪失感というのは、何の前触れもなく突然にやってきたりします。当たり前に享受している感謝すべきことに目を向けているつもりでも、これからも幾度となく経 […]
「好きな短歌」タグの記事一覧
【今日の短歌】蕗の薹ひっこり湧きて自尊心いら立ち腹立ち知らぬさみどり (大下一真)
人に優しくありたいとは思うけど、寛容になれない時もあるし、イラっとくることもあるし。徳の高い人ほどそれらを上手に浄化してしまうんだろうけど、そこまでの器量を待ち合わせていない自分は簡単に揺さぶられてしまいま […]
【今日の短歌】 茶碗など黙って洗う涙とはたまれば自然におちる液体 (畑 彩子)
このシチュエーションに至るまでの境遇は知る由もないけど、悔しい思いをしたり、何らかの理不尽な目に遭ったのでしょうね。自分も同じように涙を堪えきれなかったことがあったから痛いほど共感できます。勤務中ならなおさ […]
【今日の短歌】やはらかい水を降ろしてまづ春は山毛欅の林のわたしを濡らす (谷とも子)
散歩に出たら小雨がパラパラと。というより、小雨も想定内のうち。雨上がりでぬかるんでるし濡れやすくなっている山道までわざわざ足を運んだのは、濡れても構わない、なんなら濡れたくて行ったようなもんです。なぜなら“ […]
【今日の短歌】冬と春まじわりあって少しずつ暮らしの中で捨ててゆく紙 (阿波野巧也)
新年度に向けていろいろ整理する時期ですからね。新生活に向けての広告とかも増えてくるし。データ化が進んではいるとはいえ、紙を捨てることが多くなります。 書類関係は、要るもの要らないものと選り分け […]
【今日の短歌】私は、と書き出すときにもういない私こうして夏に踏み出す (小島なお)
私は、今こうしてblogを書いています。たった今「私は、」と書いた私は、すでに過去になってしまってもういません。厳密にいえば、一秒前の自分は過去の自分だから。過去があったからこそ今の私があることは間違いない […]
【今日の短歌】あぢさゐの花の花間(はなま)にやはらかく雨ふりしづむ 夕雨夜雨 (高野公彦)
今年は梅雨入りが早かったので、さぞかし雨続きの日が続くかと思いきや・・・。この地方は、雨が降ったとしてもすぐに止んでしまったり、夜更けに降ることが多いです。雨が降らなかったら降らないで、少しぐらいは雨が降っ […]
【今日の短歌】六月の朝のくもりを雀とぶそらより土に土より空へ (玉城徹)
ウチにはいろんな鳥が遊びにくるけど、雀ってそれほど多く見かけません。それらしき鳥はいても、雀ではなくモズだったりします。全く見かけないということはないんだけど、昔はもっとそこらじゅうにいたのに、ずいぶん数が […]
【今日の短歌】本棚に戻されたなら本としてあらゆるゆびを待つのでしょうね (笹井宏之)
コロナ対策のため、病院の待合室等では雑誌や本が次々と撤去されていきました。あらゆる指を待つ本のイメージとして、私は図書館の本棚を思い浮かべたのですが、今は多くの図書館が休館を余儀なくされています。 &nbs […]
【今日の短歌】六月は酒を注ぐや香を撒くや春にまさりて心ときめく (与謝野晶子)
6月といえば梅雨真っ只中 = ジメジメの湿気祭り。「春にまさりて心ときめく」で、厄介としか思えなかった6月の印象がガラッと変わった一首。不思議なものです。私が単純なだけかもしれないけど、思っているより6月っ […]