自分の中で三大憧れの薔薇というのがあって、一つ目はトマス・ハーディの「日陰者ジュード」という小説にちなんだ「ジュード・ジ・オブスキュア」、2つ目がローズメイカーという映画に登場する「イパネマの娘」、そして掲出歌に出てくる「ケアレス・ラブ」なんです。上記の写真は、2年ほど前に撮ったジュード・ジ・オブスキュア。

 

共通しているのは“香の高き薔薇”であること。確かな記憶がある中で嗅いだことのあるのは「ジュード・ジ・オブスキュア」なんですけど、ともかく「ジュード・ジ・オブスキュア」の丸っこいフォルムと芳醇な香りに魅せられ、すっかり虜になりました。

 

薔薇といえば姿形はもちろんなんだけど、とにもかくにも香りを嗅ぎたい私なので、「香の高き薔薇の名は名はケアレス・ラブ」が強烈に刺さり、いつかは思い切りその香りを嗅いでみたい憧れの薔薇となりました。薔薇園に行けば、「狂ったように」と言われるほどクンクンやるのが私なので、ひょっとしたらどこかの薔薇園で「ケアレス・ラブ」の香りも、嗅いでいたりするのかもしれません。

 

「イパネマの娘」は、おそらく映画の中でしかお目にかかれない極上の薔薇。映画のローズメイカーでは、緻密さを求められる薔薇の交配シーンが出てくるんですけど、専門家の監修のもとなり正確に再現されているのだとか。手先が不器用すぎる私としては一番苦手とする分野なんだけど、これからもああやって、新しき “香の高き薔薇” が生み出されていくのでしょうね。

 

careless loveとは不注意な愛。“香の高き薔薇” はとても魅惑的だけど、香り高いほど棘もまた頑丈で痛いものなのかもしれません。