夜が更けたころから、外で雷がゴロゴロ。何を書こうかなぁと思ったのですが、雷をヒントにこんな和歌たちのご紹介です。・・・というわけで、万葉集特集です。

 

鳴神の少し響みてさし曇り雨も降らぬか 君を留めむ 柿本人麻呂
雷がわずかに鳴ったり曇って雨でも降らないものかしら。あなたを引き留められるのに。

鳴神の少し響みて降らずとも吾は留まらん妹し留めば 柿本人麻呂
雷がわずかに鳴ったり雨が降らなくたって私は留まりますよ、あなたが望めば。

 

宮廷歌人である柿本人麻呂がなぜこのような歌を詠んだのかはちょっとわからないのですが、何ともロマンティックなやりとりですよね。・・・やりとりというか、双方とも柿本人麻呂が詠んだものだけど。

 

 

そしてこれらの和歌。もしかしたら「あっ!!」とピンと来た人もいるかもしれません。あの「君の名は。」で有名な新海誠監督の「言の葉の庭」という映画で引用されている和歌です。主人公のタカオが、謎めいた年上の女性・ユキノと新宿御苑で出会うシーン。 ↓ですね。

 

 

靴職人を目指す高校生のタカオ(秋月孝雄)は、雨の日の1限は授業をサボって、庭園で靴のデザインを考えていた。ある日、タカオはそこで昼間からビールを飲んでいる女性、ユキノ(雪野百香里)に出会う。どこかで会ったかとタカオが尋ねると、ユキノは否定し、万葉集の短歌 「雷神(なるかみ)の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」 を言い残して去っていった

 

 

誰そ彼とわれをな問ひそ九月の露に濡れつつ 君待つわれそ 作者未詳
「誰、あの人は」と 私のことを問わないでください。九月の露に濡れながら愛しい人を待つ私のことを。

 

「君の名は。」に出てくる古典教師のゆきちゃんとは、実はユキノのことだったりします。授業で引用されていた↑の和歌も万葉集にあります。

 

 

ちなみになんですけど、「君の名は。」のストーリーは、古今和歌集にある小野小町のこの和歌をヒントに考えられました。

 

思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを 小野小町
愛しいあの人を想って寝たので、あの人が夢に出てきてくれたのだろうか。夢と知っていたら目を覚ますことはなかったのに。

 

 

大荒れの天候だなぁと思ってこれ書いていたらまさかの停電。ほんの一瞬だったし、何よりデーターを一時保存しておいて良かった~!!

 

とりあえず今日はここまでにします。続きはまた今度。・・・では。