先日、“心のパンツ”の話をしました。だからというわけではないのですが、こんなネタです。

 

今回のテーマは、「現代短歌における“エロ”の世界」ということで、私が密かに「現代短歌の三大エロ歌人」と呼んでいるお三方をご紹介してみたいと思います。

 

はい、「マツコの世界」と「怒り新党」を足して2で割ったような感じで若干の下ネタ入りまーす。

 

佐々木あららさん

 

短歌界において「エロ」といえばこの方、佐々木あららさん。まずはこちらの代表作をご覧ください。

呼び出した目的だった愛はもう全部出したし帰っていいよ 佐々木あらら
外に出すのが愛なのか中で出すのが愛なのか迷って出した 同上
それなりに心苦しい 君からの電話をとらず変える体位は 同上
 

特に男性は共感する方多いのではないでしょうか。

 

このように、女性にはなかなか受けいれがたいような男の本音の部分をズバッと出しているのが特徴なのですが、不思議と女性の支持も多かったりします。

 

男心ってこうなのかなぁと、なんだかちょっと納得させられてしまうんですよね。ただ、感情が伴っていない行為というのは、どんなことをされても相手からしたらやっぱり空しいものですけどね。

 

 

あとね、おっぱいネタでこんなのもあります。

 

ぜんぶ好き」以外出口のない問いに「おっぱいです」で勝負して散れ 佐々木あらら
おっぱいを吸いながら死ぬ 朝に死ぬ 綾瀬はるかでなければならぬ 同上

 

佐々木あららさんの、こんなユーモラスなところが好きです。

 

 

SEXをテーマにした官能的な短歌の中には、ただ卑猥なことをぶちこめばそれでいいって勘違いしちゃっていて下品としか感じられない作品も正直あったりします。佐々木あららさんは、卑猥さや下品さを感じさせるギリギリ一歩手前の絶妙なラインまで攻めていているところがすごい。

 

あ~わかるなぁと最も共感した一首がこちら。

近づけば近づくほどに色褪せる君にそれでも近づいていく 佐々木あらら

 

林あまりさん

 

本名は「林真理子」なのですが、作家の林真理子さんがすでに活躍されていたので、「林真理子」のあまった方という意味で「林あまり」と名付けたそうです。坂本冬美さんの名曲「夜桜お七」を作詞されたとこでも有名です。

 

寒い夜はからだに力が入ってしまい もっと抜いて、とあなたは囁く 林あまり
あけわたすことのよろこび服を脱ぎ向きあうわたしの相手はこのひと 同上
立て膝をゆっくり割ってくちづけるあなたを いつか産んだ気がする 同上

 

個人的に好きな作品を「スプーン」と「ベッドサイド」という歌集の中から抜粋しました。何とも色っぽいでしょ?

 

本来の林あまりさんの作品は、どちらかというともっと過激で直接的なものが多いです。あと、定型を無視した破調の作品が多いのも特徴。短歌というよりも散文っぽくて、正直にいえば好みとするカラーではありません。

 

ただね、こういう林あまりさんならではの色香のある作品はすっごく好きでハマるときはドンピチャにハマったりもします。

 

ごくちいさなビーズのバッグ手に持って春の銀座を歩きたくない? 林あまり
月は好き 手ざわりなんてないのだし距離を保った友人のよう 同上

 

これらもすごく好きな作品です。

 

 

 

 

川上史津子さん

 

 

「エロ+切なさ」ということで、自ら「えろきゅん短歌」と称している川上史津子さんの作品。川上さんは歌人としてだけではなく、舞台女優としても活躍されています。

 

まずはご覧ください。

 

肉の芽に独り性具(性具)を押し当てて果つる“強制終了”の夜 川上史津子
きみ恋し おぼろ月夜に 濡れつきぬ 一人慰め 女せつなや 与謝野晶子

 

感性いうかどこか共通する部分がある気がして、現代版・与謝野晶子みたいなイメージを勝手に抱いています。

 

こういうことをここまでぶっちゃけちゃうの?と、ちょっと衝撃を受ける方もいるかもしれないですね。でも、あまり嫌な感じはありません。確かにちょっと過激だけど“強制終了”に至るまでの背景にある切なさをちゃんと感じることができるからです。

 

“性”を扱うとき、どこまでが許容範囲でどこからが猥褻なのかということがしばし問題視されます。私は、そこに芸術性なりなんらかのメッセージ性が感じられるかどうかがその分かれ目だと考えています。なので、そういうのが全く感じられずにただ過激な部分だけが描写されている作品というのは苦手なんですよね。

 

「えろきゅん」の“きゅん”の部分が、私的には大事。

 

こちらのインタビュー記事で、この作品ができた経緯について説明されているのでちょっと一部抜粋します。

 

短歌を詠みはじめたキッカケは、芝居の稽古や公演を終えて帰って来ると、体は疲れているのに頭が冴えて眠れない。そんなとき、私はピンクローターでマスターベーションをするのですが、そうするとまるで電源を切ったようにカクッ、と良く眠れる。ある日「これって、パソコンの強制終了みたいだなあ・・・」と、気付いたら、それをどうしても言葉にして残しておきたくなったんです。その事だけを言い切るのに適切な長さの表現方法は無いものだろうか? と考えた末に辿りついたのが三十一文字の短歌でした。

 

こんな風に、どうしても言葉に残しておきたい衝動にかられる瞬間ってあります。だからblogをやったり短歌をしたりしているのですが、こういう感覚はいつまでも失いたくないなと思います。

 

五分でもいいの神様あの男性(ひと)を強姦できる腕力(チカラ)を貸して 川上史津子 

 

この作品も好きです。

 

 

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いかがでしたか? ←どこかの記事によくある謳い文句 (笑) 「現代短歌における“エロ”の世界」ご堪能いただけたでしょうか?

 

また、知られざる短歌の世界をご紹介できたらと思います。

では、また~。