短歌を詠むときに心掛けていることはいくつもありますが、いい作品を生むために絶対に外せないと思うのが“誠実”であるということです。ここでいう“誠実”というのは、無理やり言葉尻を合わせただけで投げ出したり終わらせたりしないというもの。洗練されるまでの手間を惜しまないということです。

 

 

 

もちろん最初からある程度できあがっている場合もありますが、そうとばかりは限りません。むしろ最初にできたものの大半は磨がかなければどうにもならないものだったり、磨いたところで光りもしないものばかりだったりします。

 

なので、リズムや言葉選びなどをこれ以上ないところまで突き詰めて“研磨”する必要があるということです。だからといって時間をかければいいというものではなく、手間のかけ方が足りないというのは、そこに到達するまで磨かれていない、磨き方が甘かったということです。

 

具体的なノウハウやテクニックを学ぶのも大事ですが、これ以上ないところまで突き詰めて“研磨”していくということを徹底的に心掛けたほうが数段良いものが作れると思うのです。