豊橋市・葦毛湿原にて。

この時期になると、春の植物たちを求めて毎年のように出かけています。今年は、オオバノウマノスズクサやキンランと出会うことができてラッキーでした。

 

春竜胆 (ハルリンドウ)

湿原にたくさんさいていて今が見頃です。

 

大葉の馬の鈴草 (オオバノウマノスズクサ)

写真を撮っていると、通りすがりの方に「ウマノスズクサ撮られました?」と声を掛けられました。「いえ・・・」と答えると、「写すと絵になりますよ」「そこに咲いています」と草陰のちょっと気づきにくい場所に咲いているのを教えてくれました。ありがとうございます~。毎年のように来ていながら、実は初めて見ました。

 

金蘭 (キンラン)

会えたらいいなと思っていたキンラン。先に歩いていたおばさまグループが「キンランだ」と見つけてくれたおかげです。(;^ω^) じゃなかったら、おそらく気が付かないで素通りしていたと思います。みんなよく見つけるなぁ。

 

 

三河梅蕙草 (ミカワバイケイソウ)

「ミカワ」と名の付くぐらいで、三河のこの地方にしか咲かない貴重な植物。昔は平地のほうでもたくさん咲いていたみたいだけど、今は少し斜面を上がった所でしかみられません。遠くで咲いているため、アップで撮影できないのが残念。

 

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ミカワバイケイソウといえば、過去に忘れられない出会いがあります。それはもう何年も前のこと。湿原に向かうため山道を歩いていると、「写真撮りにきたの?」と1人の中年男性に声をかけられました。「はい」と答えると「なら、これを撮るといいよ」と山道から少し逸れたキンランが咲いている場所まで案内してくれました。それが出会いです。

「皆、気がつかないで通り過ぎていくんだよ」

 

それからまだ蕾だったけど無葉ランがあるところも教えてくれたりして、一緒に歩きながらいろんな話をしました。地層学に詳しいとかなんとかで、大体いつ頃どのあたりに地震がくるのかがわかるとかそんな話をしながら「もっと花が咲いている場所に案内してあげるよ」と連れて行ってくれたのが、上記のミカワバイケイソウの群生地。

「わぁ、すご~い」当時はミカワバイケイソウの存在すらも知らなかったので感動でした。

 

それから駐車場まで戻ったとき、「遊びで作ったやつだけど良かったらもらって」と一枚の紙切れを渡されました。見るとそこに書かれてあったのは、何年後のいつどこでどれくらいの規模の地震が起きるのかという予想の一覧。

 

そのときはあまり深く考えずに受け取ったのですが、精神衛生上こういうのは見ないほうがいいかなと思い直してそのままロクに見なかったのは結果的に正解でした。東日本震災が起こったのはそれから約2年後のことです。

 

今はもうあの紙はどこかへいってしまったので、どう予想されていたのか、その表が正しかったのかどうかは確かめようがありませんが忘れられない記憶となりました。

 

・・・おじさん、元気にしているのかなぁ。