「彼岸花」というだけあって、彼岸の頃には必ず咲いてくれる曼珠沙華。どんな気候だろうと見計らったかのように紅く染まる光景は、毎年のことながらどこか侘しい。

 

曼珠沙華一むら燃えて秋陽つよしそこすぎてゐる静かなる経 木下利玄

美しき焔を思わせる群生の中には、色褪せていたり、燃え尽きた灰のように枯れている箇所もある。終焉の美。秋陽に照らされ、ことさら鮮やかに燃えているかのような曼珠沙華。その命は短くて儚い。

 

夕暮れの散歩道。