公式ブックと一緒に8月にAmazonで注文して、届くのをずっと楽しみにしていました。LINEスタンプや、はるたん日めくりカレンダーも買ってしまったし、名古屋で行われる展示会のチケットも入手済み。どんだけ好きなのって感じなんですけどね。てか、次から次へとホントに商売上手よね~。策略にまんまと嵌っています。(^^;)

 

・・・巷ではおっさんずラブファンのことを「OL民」と呼ぶらしいけど、これで立派なOL民の一員といえるのかしら。それともまだまだこの程度じゃ、その域に達していない?・・・自分ではその基準はわからないや。(^^;)

 

それはさておき、シナリオブック!!  見た目はかなり分厚いです。なので読むのに時間がかかるかなと思ったけど、あっという間に読み終えました。セリフが微妙に変わっていたりアドリブで足されたシーン、カットされたシーン・・・あと、脚本ってこんな感じで書かれているんだなとか、いろいろと興味深かったです。

 

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以下は、公式ブックに掲載されている田中圭さんのインタビュー。

 

“設定として決まっているから”というのは絶対嫌で、“人物の感情が動いたからそう行動する”物語にして行きたいと。春田という役柄も、周りに流されていく優柔不断な性格だけど、それでも愛されるキャラクターーにしないといけない。そう考えたときに、今回はとにかく「みんなの芝居を受け切ろう」って決めていました。

今回は“春田”として嘘なくその場にいたかった。撮影の最初のころはだーりお(内田理央)や(金子)大地にも「俺、このセリフ、こう言っていい?」とか「こう演っていい?」とか撮影前に伝えてました。そうするとみんな、春田がそう来るなら自分もこうセリフを変えないとかなー、なんて考えながら演じる。それが段々当たり前になって、逆に向こうからも仕掛けてくるようになった。

 

読んでいくとね、インタビューの言葉通り、割と台本に忠実だった演者さんが、回を追うごとに仕掛けていっているのがわかるんですよね。その過程が面白かったです。

 

で、田中圭さんは、 確かに相手がボソッと言ったこととか、動きのすべてを受け切っている!! そこには書かれていなくても、その反応がもう完全に「はるたん」で、思惑通りより愛すべきキャラクターになっている・・・シナリオと映像との違いで、それがよりくっきりとしてよくわかりました。

 

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ドラマの現場のことはよく知りませんが、作品のカラーや制作陣の考え方などによっては、ここのセリフをこう変えたいとかこう演じてみたいなどと思ってもなかなかできないのかもしれません。

 

でも、「おっさんずラブ」の現場はそういったことにとても柔軟で、みんなで意見を出し合っていいと思ったものは何でも積極的に取り入れる、そんなノリの良さみたいなものがこちら側にも伝わってくるんですよね。

 

ただ、そのノリの良さというのも「春田ならそうかも」「牧ならありえる」というだけの説得力を待たせるだけの力量があってこそというのがよくわかるのが、脚本家・徳尾浩司氏のインタビュー。

 

僕は舞台の演出家でもあるので、お芝居至上主義です。(ストーリーよりもお芝居のほうが大事!)だから、脚本が現場で変わることらついてはほとんど抵抗がないのですが、それは上手い演者と信頼できるお演出家に限った話で、よく脚本家先生が現場での改変に怒っているのは、下手な方向に変わっているからだと思います。そういった意味で言えば、今回は田中圭さんや瑠東さんをはじめ、才能ある人たちに脚本という設計図の上で、自由に遊んでもらい、とてもイキイキしたドラマを作っていただいたというのが正直な思いです。

脚本を読んで意味を理解したうえで、カットがかかったときに「はいもう終わり」ではなくて、春田ならこういう言葉が出ちゃう、牧ならこういうことをやってしまう、という役から生まれた思いや行動が無意識に出てしまって、そういう脚本を超えた演技は、僕はめちゃくちゃ嬉しいんです。一辺倒のキャラクターだったら、カットがかかったらそれ以上は何も言えないし、何か言ったらそれが間違いになるけど、今回は役者さんの中で役が生きているので、ぶっちゃけ何をやったって正解なんです。そこまで役作りというものを深めてもらっていて、僕は毎シーン感激していました。

 

その力量を見込んで信頼した制作陣の期待に、田中圭さんをはじめとした演者が見事に応えて生み出されたのが、あの魅力的なキャラクター達なのですね。

 

あと、最後の方に「へぇ、そうだったんだー」と思えるような各回にまつわる裏話的なものが掲載されています。これも必読ですよ~。