先に「結ぶ」というワードが浮かんでいて、だったらその対義語である「ほどく」を入れたいと思ってできたのがこの短歌です。

 

この場合の「貝の口」とは、「貝の口結び」のことで男性がよくする帯の結び方。そんな貝の口結びをさらりと結んでしまうぐらいだから、ある程度「和」の素養を身に着けている人物なのでしょう。・・・って、そうだと言ってしまえばそうなのですが。

 

三十一字の中からそんな風に妄想できたりするのが短歌の醍醐味。だからあんまり言わないほうがいいのだけど、経験を積んだ器用さとか手慣れている感を醸し出させるためのフィクションが、現実的に突き詰めるとそういうことになるというのが実際のところです。(^^;)

 

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定型にこだわる私にしては、かなり珍しい字余りの一首。貝口結びとも呼ばれるから「貝口をさらりと結ぶ・・・」としても良かったのですが、「貝の口」としたほうが柔らかくて全体的な雰囲気にマッチしているし、艶っぽさが増すかなと。あと、初句のインパクトとしてもこちらのほうが強いですしね。