拒まれてしまった背景に何があったのか・・・。相手との関係性や、どんな理由でどう拒まれたのか・・・。そこに一切触れられていません。ただ、拒まれるというのは心に深い傷を負います。好意を寄せていたのだとしたらなら尚更。

 

心理状況と目に見える光景というのは、密接にリンクしているものです。「チャック状の傷跡のトマト」とは裂果ということなのでしょう。急激な水分吸収や温度差、強い日差しなどが原因で、皮が割れてしまった実。自分の姿と重なる傷跡のあるトマトが、一層痛々しく目に映ったのでしょうか。

 

選ばれないより選ばれたほうがいいに決まっているけど、「・・・でもいい」ではなく「・・・がいい」で選ばれたい・・・。それが「チャック状の傷跡のトマト」の本音なのかもしれません。でもわざわざ好き好んで傷ものを選ぶ人はいない・・・。だからこそ手を差し伸べたであろう主体の優しさが身に沁みます。

 

 

私ならどうかな。逆に拒まれて傷ついたからこそ、選ぶ側の自分は尚のこと慎重に吟味し、傷のあるトマトは避けたくなるのかもしれません。わからないけど。でもねー、ウチも家庭菜園やってるからねぇ。見ればちょっと親近感が湧いたりもします。

 

梅雨がめっちゃ長かった今年は、とくに裂果になりやすかったんだよね。