「響 ~小説家になる方法~」という漫画を実写化した映画です。

 

すべての基準が自分自身であって、それ以外の基準や概念を一切認めようとしない。信念を貫くためには何をしでかすかわからないという危うい一面を持っている文学少女・鮎喰響が主人公。

 

主演は、言わずと知れたアイドルグループ・欅坂46の不動のセンター平手友梨奈さん。

 

平手友梨奈さんに対する印象は、身体の動かし方や表情・・・こうすればいいという見本を真っ先に体現している人。そういう生まれ持ったセンスがある人。正確に歌詞の意味を汲み取った、その表現にズバ抜けたセンスを感じるのが平手さんです。

 

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たまに暇つぶしに、ネットで配信されている漫画を試し読みする私。試し読みの部分だけですが「響 ~小説家になる方法~」も読んだことあったので、だいたいどんな感じの漫画かというのは知っていました。

 

平手さんが演じる鮎喰響は、私がイメージする鮎喰響そのものというより全体的なトーンがほんの少し暗めでドスが効いている感じ。そこには唯一無二の鮎喰響がいて、だからこそ見る価値がありました。

 

小説に対して異常なまでに潔癖というかこだわりが強く、時に常軌を逸した行動をとることもある響。もちろんそれには彼女なりの理屈や理論があるわけで、行動に納得できる部分もあれば極端すぎると思う部分もあります。

 

極端すぎると思うのはその信念の貫き方であって、彼女の理屈や理論は真っすぐで純粋でひたすら守りたいと思えるものでした。そういったすべてひっくるめて、「鮎喰響」であり続ける確固たる信念と覚悟を持っている凄みは、平手さんにしか出せないものではないかと思います。

 

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世間に認められるような才能に恵まれることは奇跡であり、その奇跡に恵まれたとしても第一線で活躍し続けられる人材はごく類です。今後、才能を認められた響が小説家としてどのような活躍をみせるのかはわかりませんが、もっとすごい天才が現れて凛夏たちと同じような苦悩を抱えるようになるかもしれません。

 

それでも、彼女が「鮎喰響」であり続ける限りきっと大丈夫だろうと、そんな確信めいたものをスクリーンから確かに感じ取りました。