蓮葉のにごりに染まぬ心もてなにかは露を玉とあざむく 僧正遍照
蓮の葉は泥の濁りに染まらない清らかな心を持っているはずなのに、どうして(葉の上にある)露を玉と見せかけて欺いたりするのでしょうか。

 

昨日は七十二候の第32候「蓮始開」でした。泥水が汚いほど綺麗な花を咲かせる、そんな蓮の花が咲き始める頃。誰もが清らかなだけではいられないからこそ、清らかなにごりに染まぬ清らかさで、“露”と“玉”を正しく見分けられる心を持ちたいものです。

 

作者の僧正遍照は「六歌仙」「三十六歌仙」に名を連ねるほどの優れた歌人。桓武天皇の孫にあたり、僧官の最上位である「僧正」にまで上り詰め、おまけに容姿端麗だったようです。まるで少女漫画に出てくるようなイケメンキャラな彼を、“露”と見るか“玉”と見るかは

 

あなた次第です( ̄▽ ̄)

 

 

天つ風雲の通ひ路吹き閉ぢよ乙女の姿しばしとどめむ 僧正遍照
天に吹く風よ、雲の中にある(天に通じる)道を吹いて閉じてくれないか。(やがて天に帰ってしまう)乙女(天女)の姿をしばらく留めておきたいから。

 

 

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