本日はウッチャンの誕生日ということで、まるまる一冊ウッチャンのことを特集した「内村光良ぴあ」を取り上げたいと思います。

 

月曜ロードショーで放映されていたチャップリンの「街の灯」を観て感動し、ロッキーを観て本気で映画監督を志すようになったウッチャン。高校時代は、実家の酒屋でアルバイトをしながら機材を買い揃え、自主映画「飛んでやる」「戦争愛してます」「男物語」を次々と制作。高校卒業後は横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)に入学し、そこで出会ったナンチャンや出川さんら同級生と「お座敷小唄」を制作。

 

そして、いよいよ満を持して映画監督への登竜門というべき「ぴあフィルムフェスティバル」に応募するも、結果は残念ながら一次審査で落選。

 

 

そのときの心境を、動画でウッチャンは「賞を取ると思っていたから本当に落ち込んだ。本当に挫折を味わった」と振り返っています。

 

時を経て、何本かのテレビドラマや映画の監督を務め、夢を叶えたウッチャン。そしてついには、あの「ぴあ」でまるまる一冊特集を組まれているという不思議。

 

無類の映画好きで何本かの自主映画を制作していたこと、「ぴあフィルムフェスティバル」に応募していた話は、鉄板ネタとしてよく話していましたからねぇ。だからぴあでの特集は、「おぉぉぉぉっ!! 」と感慨深いものがありました。

 

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さて「内村光良ぴあ」では、「内村光良」って本当はどんな人?と題して、内村光良という人物像に徹底的に迫っています。インタビューやアンケートに答えたのは総勢50人。そこから浮かび上がる人物像は、「優しい」「話を聞いてくれる」「受けとめてくれる」「温かい」「ストイック」「笑いやコントへの情熱やこだわりが強い」「のびのびできる」「懐が深い」「威圧感がない」「他者を否定をしない」「貪欲」「「愚痴や悪口を言わない」などなど。

 

そんな中でひょいと顔を覗かせる人間くさい一面(内村B)をいじられていたり(笑)   相変わらずの愛されっぷりです。

 

特に興味深かったのは、「内村光良のここがすごい!」と題して、レギュラー番組のデレクター6人それぞれがウッチャンの凄さを語っている記事。中でも、そうそうそうっ!! わかる~っ!!と思ったのは「イッテQ」や昨日放送があったばかりの「ダマされた大賞」の古達善之氏のインタビュー。

 

何がすごいって、オチの出し方の速さ! 恐らく日本で一番、ゼロから笑いを生み出すのが速い男です。絶対にダラっとした感じにはならず、間とか、言い方、動きや表情などで瞬間的にポーンと落すことができる。どんな場面も「終われない・・・・・」ということがないから困らないんです。ふわ~っと流れた空気をスパッと切る。その閉じ方が本当にすごい!喜劇人として培った技術と引き出しの多さと、反射神経で変幻自在です。

 

そう、演者の魅力を引き出すほのぼのとした独特の空気感もそうだけど、ここが他と決定的に違う所だと思うんです。「もうええわっ!!」みたいな逆切れパターンで無理やり閉じたりするのはよくあるけど、ウッチャンの場合はそうじゃなく表情やボソッと言った一言で会場を沸かせて場を収めたりするんですよね。その手腕は見ていていつも凄いなと思っていたので、この記事は我が意を得たりと嬉しかったですね。

 

他にも、これまで映画とともに歩んできたウッチャンの経歴をアカデミー賞受賞作とともに振り返る年表があったり、金メダル男でウッチャンとW主演を果たした知念くんや、原作の挿絵を担当した五月女ケイ子さんとの対談があったり、ウッチャン自身のインタビュー記事や100の質問に答えるQ&Aがあったりと盛りだくさん。あと、現場への潜入レポや、ウッチャンが選ぶ映画のベスト10などもあったりします。

 

監督としてのウッチャン、芸人としてのウッチャン、どちらのウッチャン魅力もあますことなく焦点が当ててことうとする気概が感じられ読みごたえがあります。

 

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ウッチャンのいい面や凄いなと思う部分をあげようと思えばキリがないぐらい、語れと言われればいくらでも語れちゃう自信があります。それくらい凄い人だし、人として見習うべきところがたくさんあります。

 

威圧感を与えない親しみやすさとついていきたいと思わせる人徳と技術、つかず離れずの距離感を保ちつつここぞというときに情を深さをみせる人との関わり方、こだわりとさらり受け流す緩急のつけ方・・・。ニコニコしながらごくごく自然にやってのけるのを見ていると、なんて徳の高い人なのだろうと思うんです。

 

でもその分どこかでバランスをとっていて、テレビなのに急に無口になって人を寄せ付けないオーラを放ったりする内村Bが現れて、それがまた魅力だったりもするんですよね。穏やかでいることのほうが圧倒的に多いけど、実はああ見えて顔や態度にポロッと出ちゃうこともあるし、温厚なんだけど感情が出やすい一面も持っているのがウッチャンなのだと私は思っています。ただ、その出し方が静かであえて言葉にしなかったり、うまく笑いに変えて昇華したりしているだけで。

 

不思議な人だなぁと思います。だからこそ惹きつけられます。

 

 

そんな二面性を持ったウッチャンが、昔「グータン」という番組でこんな詩を書いていました。

 

本当に?

「好きな色は?」と聞かれてオレンジと答える

でも本当にオレンジが好きなのか?

何年も言い続けてきたから好きだと思いこんでるだけなのか?

朝焼けや夕焼けは好きだけど

みかんはそんなに食べないし…

白も青も好きな時はある

本当にオレンジが好きなのか?

内村光良

 

・・・何ともウッチャンらしい。

 

この詩にインシュピレーションを受けて、以前にこんな短歌を詠んだことがあります。

 


オレンジが好きな色だと答えても一番好きかどうか知らない (朝倉冴希)

 

 

 

ウッチャンの番組をずっと観て育ってきているので、ウッチャンはもう死ぬまでずっとずっとファンでいる特別な存在です。今までウッチャンの笑いに何度も救われてきましたから。というわけで、今回は大好きなウッチャンの誕生日ということで「内村光良ぴあ」を取り上げてみました。

 

最後に、誕生日おめでとうございます!!

これからもずっとファンでいるので、楽しませてください。