メタリックに輝く虹色の美しい翅。玉虫を見つけました。たま~に見かけるのですが、それでもなかなかレアなので見つけるとテンションがあがります。その美しい翅は装飾にも使われており、その主たるものが、法隆寺にある国宝・玉虫厨子。

 

装飾には本物の玉虫の翅が使われており、法隆寺の情報が掲載されているこちらのサイトによればオリジナルは2600匹以上の翅が残されていたとか。それをもとに計算すると4800匹の玉虫の翅が使われているそうです。昭和53年に作製されたレプリカには5348匹の翅が使われたとのこと。ものすごい数ですね。

 

それだけの数の翅を集めるために東南アジアまで足を運んで現地の協力を経たり、気が遠くなるような繊細で緻密な作業のために2万人の輪島塗の職人さんが制作に携わったみたいです。このエピソードだけでも、玉虫厨子を作製するのにとてつもない労力を要したことがわかり、玉虫厨子への並々ならぬ執念が感じられます。実物を目の前にしたなら尚更でしょうね。その迫力が「不穏のこころ」として伝わったのでしょうか。

 

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もともと弱っていたのか、あれから玉虫は離れたところでひっそりと死骸になっているのを見つけました。玉虫の美しい翅はタンスに入れると衣装持ちに、財布に入れるとお金持ちになるとも言われる縁起物。そんなこともちらっとよぎったのですが、翅をもぎとる気まではなれず、亡骸はそのままそっと土に埋めておきました。

 

 

 

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