畑のブロッコリーが次々できるので、なんだかんだで毎日のように食べまくっています。恐竜になった気分です。恐竜の中で一番好きなのは、わかりやすいティラノサウルスなんだけどね。

 

市の木にも選ばれているほど、わが地元では楠(くすのき)を目にすることが多く、階上の窓から見下ろすと本当にブロッコリーそっくり。なので、樹枝状のブロッコリーを木に喩えるのではなく、逆に木をブロッコリーに喩えて「そっくりだなぁ」と思う派かな、私は。

 

楠じゃなくとも、日本の木々ってブロッコリー感が強めというか、モコモコしている印象があるんですよね。それがなんか好きなんですよ。だから余計にそうなのかもしれません。これから新緑の季節になると、さらにブロッコリー感が増してくるよね。

 

昔ね、市役所で短期アルバイトしたことがあるんですけど、庁舎からの木々がモロにブロッコリーで未だに印象に残っています。

 

 

私のイメージする杉崎作品って、メッセージ性をカラッとしたファンタジーの世界観に包まれていて、短歌というよりもジャックと豆の木のような童話を読んだ気分になるんです。主体というよりも物語の主人公というほうがしっくりきて、掲出歌でも主体ではなく「気弱な恐竜になったぼく」を通してメッセージを受け取っている感覚。

 

「気弱」なのは“ブロッコリー”を齧る草食系だからなんだけど、何を持ってそう喩えているのかは読み手が想像するしかありません。ファンタジーのオブラートに包みながら、あくまでも「考えるな、感じろ」と言われているようなそんな気がして、それが重さを感じさせない軽やかさに繋がっているような気がします。

 

話を三十一文字にギュッと凝縮させた濃さがあり、扱うテーマは「死」だったりと実は重めなんだけどテイストは瑞々しくライト。その独特のアンバランスさがいいんですよね。